フリーランスとして生きる

システム開発の仕事について、14年がたった。18歳の時に上京して、夜間大学に通いながら、フルタイムで働きはじめた。残念ながら、大学は中退したけれど、4年半後に別の会社に転職した。オープンソースが業務システムの開発にも普及しだした時代だったと思う。オープンソースに強いことと、プロジェクトリーダの経験をさせてもらえることが転職の条件だった。その会社でも、4年半揉まれて、その後、その会社と業務委託契約フリーランスとなった。その1年半後、父が癌を患い、看取るために徳島に帰ることにした。癌が発覚したのが、新婚旅行から戻った直後で、まさしく天国から地獄への心境だった。まるで映画のようだなと思っていたら、ちょうど徳島を舞台とした眉山という映画が公開される時で、運命というものを感じた。徳島に帰っても、フリーランスで活動している。地元企業へ就職するつもりは、さらさらなかった。徳島に帰って、3年たったが、なぜ、自分がフリーランスという生き方にこだわっているのか書いてみたい。
一般的には、正社員よりもフリーランスの方が、リスクが高いと思われているのではないだろうか。しかし、私はそう思わない。特にシステム開発に携わる技術者にとっては。技術者にとってスキルが命であり、そのスキルを高めるのは、仕事が一番であろう。勉強等でスキルを磨くことはできるかも知れないけれど、所詮、浅いレベルでしかできないのではないだろうか。やる仕事によって、獲得できるスキルが違ってくるので、どの仕事をどんな立場でやるかが重要になってくる。例えば、システム開発の仕事だと、どのような言語を使うのか、OSは何か?お客の業種は何か?要件定義からやるのか?プロジェクトリーダとして入るのか?等々である。こういったことを計画して、仕事を選ぶべきだが、会社に入ってしまうと、この選択権の大部分を会社側に握られてしまう。今時の不況で、仕事も少ないので、なにふりかまわず仕事をとる会社が多いのではないだろうか。予算的に厳しいいや、むしろ無理な仕事を取ってしまい、その尻拭いに奔走させられるのが、関の山だろう。忍耐力や精神力のスキルはつくかも知れない。(人によっては、達観力がつくかもね。)希少価値の高いスキルを身につけている人は、不況は関係ない。予算が少ない場合、安い人を沢山雇うのは、バカなやり方で、賢いやり方は、優秀な人を数名雇うことだ。
大企業であれば、仕事も多く戦略的なスキルアップができる可能性があるが、別のリスクがある。最近、リストラを行わない企業はないのではないだろうか?スキルが高い人は、リストラされる可能性が低いだろうけど、そのスキルの重要性を上司や人事が理解しているだろうか?また、世の中の変化のスピードが早くなっており、一時期景気がよい企業でも、それがずっと続くとは限らない。例えば、飛ぶ鳥落とす勢いのGoogle様も、FaceBookの勢いに押されつつある。Googleは、検索連動型の広告に依存している。しかし、人々が情報を取得する際の行動として、検索よりも、FaceBookTwitterを代表とする人の繋がりを元とする口コミで情報が伝わることの方が増えている。そうなってくると、Googleは、大量のデータセンターの運営費を賄うことができなくなり、案外脆く崩れてしまうのではないだろうか。
だから、私はフリーランスでいたい。少なくとも自分の技術が通用するまでは。